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第2回口頭弁論・詳細(4)



「準備書面(2)」


移植を望む慢性腎不全患者等が修復腎訴訟をなぜ提起したか・・・

一つは、学会幹部の発言が、修復腎移植を原則禁止とした厚労省ガイドライン改正に大きく影響を及ぼし、患者の移植を受ける権利を侵害したことに対しての損害賠償を求めること。

もう一つが、この裁判の核心ともいえる修復腎移植の「医学的妥当性」について、法廷の場で明らかにしていきたいからです。

修復腎移植をやってはならない治療、あり得ない医療だとか、がんを修復した腎臓の移植は「禁忌中の禁忌」等の学会幹部の発言があったことに対して、患者原告側は、修復腎移植が医学的に妥当性があることを、訴訟の場で明らかにしたいと主張しているのが準備書面(2)です。

学会幹部は、法廷の場において、今後速やかに、患者原告側の主張に対しての納得できる回答と、今までの発言内容の証拠・根拠を明らかにしていただきたいと思います。


準備書面(2)概要

  1、被告らは、瀬戸内グループの修復腎移植がICの欠如等手続的問題を執拗に主張しているが、そのことと修復腎移植そのものの妥当性とは関係がないので、そのことは争点にしない。

 2、本件訴訟の争点について回答せよ

  (争点は)
 (1)修復腎移植の医学的妥当性
   ア)レシピエントについて
     ① 疾患ごとの医学的適応の有無

     ② 修復腎移植の成績とその評価方法

     ③ 癌の再発・転移可能性

   イ)ドナーについて
     ① 全摘出の適応性
     ② 術式の妥当性

 (2)被告らが悪意か過失があったか。

 (3)因果関係及び損害

しかし、答弁書には上記争点について答弁していない点があるので、つぎの点を明らかにせよ。

(回答を求める事項)  

   ア①につき    癌以外の修復腎移植についての是非をどう考えるか。
             また、手続面が整えば、修復腎移植がみとめられるのか。

   ア①につき    瀬戸内グループの市立宇和島病院25例の成績が悪いとするデータと計算方法を明らかにせよ。

   イ①につき    患者が全摘を希望する場合、時間的、場所的、経済的、設備的条件により、医学的に腎臓を残すことができても全摘する場合があることを認めないのか。

            また、小径腎癌の場合でも、これまで全摘される場合が多かった、という事実について反論せよ。



準備書面(2)全文・・・ ←クリック 
# by shufukujin-report | 2009-07-20 23:42 | 第2回口頭弁論詳細(4)

第2回口頭弁論・詳細(3)

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口頭弁論終了後、会見を行う患者原告団と原告弁護団




「求釈明申立書」


原告弁護団は、裁判所に対して、以下のとおり「求釈明申立書」を提出しています。

1 被告らが本件訴えの却下を求める理由は、答弁書第2の1項に記載されている各事項であるのか、又はそれ以外に理由が存するのかを、明らかにされたい。

2 本件訴えについて、「法律上の争訟」性がないと主張される根拠を、より詳細に明らかにされたい。

3 被告らの答弁書第2の1項(2)ないし(4)の主張について、
①それが本件訴えの「法律上の争訟」性にかかる主張であるのか否か、
②そうである場合には、それらの諸点が「法律上の争訟」性に関する判断基準となりうる理由、を明らかにさたい。

被告らは、これらの点について速やかに釈明すべきです。


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    全文を読む(PDF)・・・




「上申書」

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「上申書」


1 被告らに対し、答弁書に引用されている次の外国文献について、掲載された雑誌等の現物(表紙、目次、及び添付のeditorial commentを含む)とその翻訳文とを、書証として提出するよう促されたい。


2 被告らに対し、答弁書中の「訴状別紙4の各疾患ごとの成績についての事実誤認」の主張(答弁書第2の2(2②ⅲ)、9P3~30行)の基礎となる資料を、書証として提出するよう促されたい。


    全文を読む(PDF)・・・
# by shufukujin-report | 2009-07-18 07:43 | 第2回口頭弁論詳細(3)

第2回口頭弁論・詳細(2)




被告らの各「違法行為該当事実」の違法性について


別表「違法行為該当事実」


平成20年(ワ)第979号損害賠償請求事件

原 告  野 村 正 良  外6名
被 告  大 島 伸 一  外4名

準備書面(3)

2009年6月30日

松山地方裁判所民事第2部  御中


原告ら訴訟代理人
弁護士  林     秀  信

弁護士  岡  林  義  幸

弁護士  薦  田  伸  夫

弁護士  東     隆  司

弁護士  光  成  卓  明

弁護士  山  口  直  樹


(被告らの各「違法行為該当事実」の違法性について)

1、 被告らは答弁書「第3請求原因に対する個別的認否・反論」の5において訴状「第5被告らの違法行為該当事実」2~6項の各被告の発言ないし発表の内容は認めるが、それらが「真実と異なりもしくは真実を歪曲した不利な事実」には該当しない、と主張して争う姿勢を示している。
そこで原告らは、以下被告らの各違法行為該当事実のなされた場所、状況、全体としての発言・発表内容等により、当該違法行為の違法性を明らかにする。


2、被告大島の発言、発表について

(1) 訴状第5記載の2項(1)アの発言は2006年11月3日付の新聞(甲B3)に掲載されたものであり、その前日頃、被告大島がマスコミに日本移植学会副理事長の立場でコメントした。他人に移植できるようないい腎臓なら本人に残すか、戻すべきである、とのコメントは素人受けするものであるが、医学的には誤りであることは、訴状P39、40に詳述した(患者の意思で摘出する場合についてー甲A13、A43、甲C11 小径腎癌のケースでほとんど全摘されていることについてー甲C1,C2)。
(2) 同様に2項(1)イの発言も同年11月5日付の新聞(甲B4、B5)に掲載された。
当時、すでに小さな腎臓の癌を切除して移植してもほとんどのケースで癌が発症しないことが、研究成果として明らかにされていた。具体的にはつぎのとおりである(訴状P37~39)。

ⅰ   2004年5月、第99回米泌尿器科学会で豪のデビッド・ニコル教授が3cm未満の腎細胞癌を切除し、またはその対側の腎臓(2例)を移植した18例(平均追跡期間35ヶ月)について生着率、生存率ともに100%であるとの発表を行った。この学会には日本から約300名近くの参加があり、邦訳されたハイライト集が広く頒布された。
    (なお、本件違法行為後ではあるが、2007年7月23日付東京新聞(甲A42)及び同日と翌24日付産経新聞(甲A43、44)によるとニコル教授は同移植例を継続して実施してきており、すでに43例に達し、それらすべてについて、癌の再発・転移がないと報道されている。さらに、2008年1月頃には、同症例が49例に達している(甲A45))。    
ⅱ   2005年始め頃には米シンシナティ大学のブエル教授により 14例の小径腎癌を切除した腎臓移植において、レシピエントに癌の再発・転移は認められなかった、と報告されている(甲C3)。
ⅲ   また、2007年1月米国ピッツバーグ大学とイタリア国立移植センターの共同研究により、癌のリスクのある108例の臓器移植について転移がなかった、と発表された。また、この研究では、腎移植後に癌を発症した患者から得られた17例の生体サンプルから遺伝子解析を行い、癌がドナー、レシピエントのいずれに由来するかを調べ、不明の1例を除いては、すべてレシピエント由来の癌であったことを証明している(甲C4、C13)。

   (さらに、新たに2008年、米メリーランド大学から小径腎癌の移植3例について、いずれも癌の再発、転移がないと発表された(甲C5))

以上から、被告大島の当該発言当時には、画像診断機器や診断技術、手術手技などの向上発展により、小径腎癌を切除した場合の腎移植については、その有効性が承認されるべき時期にあった、といえる。
しかるに、このような研究成果を無視して、高確率で再発するなどと断定するのは、事実を偽る発言というべきである。

(3) 2項(2)記載の大島論文(甲B6)についてもア、イで「癌は感染症と同じように忌避されている」とし、「癌細胞が移植されると拒絶される、との主張は根拠がない」「癌の臓器そのものを移植することは絶対禁忌」などと述べているが、このような断定的主張は、前述の小腎癌における移植の研究成果を無視するもので事実を偽っている。


3、 被告高原の違法行為について

(1) 訴状第5の3(1)における被告高原の発言は、2007年2月28日頃石川県加賀市で開かれた第40回日本臨床腎移植学会で行なわれた講演において述べたものである(甲B7)。

被告高原の引用する米国の研究とは乙第2号証の引用文献[2]イスラエル・ペンのものであるが、その研究は1965~97年の統計に基づき97年に発表された古いものであり、その統計の根拠となった登録制度が自発的になされたものであり、コホートの情報がなく、また、登録の病理組織学的基準がないなど科学的根拠の乏しいものであったことが明らかにされている(甲C7,C8)。同研究の結果として導かれた、癌の腎移植は43%に癌が発症するという結論は、前記ニコル、ブエル教授らの発表とは明らかに統計学的、科学的に矛盾するのであって、古い研究成果にのみ依拠して癌の臓器移植を絶対禁忌と印象づけることは、事実を偽るものである。

(2) 訴状第5の3(2)では、学会共同声明の前日である2007年3月30日に厚生労働省において被告高原が記者会見を行い、市立宇和島病院における修復腎移植25件のみの調査結果を発表し、その成績が悪いとコメントした(甲B8,B9)ことを違法行為としている。

これについては、成績の悪い部分のみをもって悪くはない全体の成績に見せかけるというごまかしを行っており、訴状P41~43に詳述したとおりである(なお、瀬戸内グループによる42全症例についての分析について甲C6)。

(3) 同3(3)ア、イでは、被告高原の2008年3月19日超党派の会(マスコミ公開)での発言と説明資料(パワーポイント)の内容(甲B10,B11)を違法行為としている。

修復腎移植の成績が悪いとした前記のごまかしに基づいて、市立宇和島病院では「半分以上の人が4年で死んでいる」「移植後2年目以降の死亡例が多い」「尿管癌、腎癌は長期間経過後、悪性腫瘍が再発し、死亡することになる」「その場合は過去に病腎を認めた者が罪を問われることになる」などと述べている。これらの発言は、修復腎移植を希望する患者や社会に対し、ごまかした事実と評価により、ことさらにその危険性のみを強調し、修復腎移植を受ける権利を妨害しようとするもので悪質な違法行為である。


4、  訴状第5の4は被告田中が、2007年3月13日付で米国移植外科学会会長メイタスに送った書簡(甲B12)の内容を違法行為とする。

この書簡は次の3点で違法性を帯びる。

第1点は、万波医師の修復腎移植が臓器売買と関係があると意図的に誤信させようとするものであること。答弁書では「書簡では宇和島徳洲会病院に於いて臓器取引の問題が発生したのみで万波医師が関与しているとか、犯罪の嫌疑をかけられていると誤認させる表現はどこにもない」と主張している。しかし、同書簡の「現在問題となっている該病院では、院内での臓器取引の問題が、昨年の秋に最初に発生しました。警察の捜査が行われた結果、一連の勝手な腎移植の問題が明るみに出ました。」(訴状別紙2)との表現は、[臓器取引-警察の捜査-勝手な腎移植(修復腎移植)の発覚]として、意識的に臓器売買と修復腎移植を関連づけようとしている。

本来、医療技術としての修復腎移植と臓器売買とは関係がない。また、本件書簡の出された時期には、宇和島臓器売買事件一審判決(松山地方裁判所宇和島支部 2006年12月26日言渡し、確定)(甲B13)において、当該売買事件に執刀医である万波医師の関与がなかったことは明らかになっていた。
本件書簡の上記部分は、あえて指摘する必要のない臓器売買の問題を関連づけようとの意図の下に表現しており、明らかに修復腎移植に対して臓器売買の嫌疑が存在すると誤信させる違法な内容である。

第2点として「彼(万波)は、これら(修復腎移植)の事実の内容について、日本で開催されたどの学会にも報告していませんでした」として、あたかも修復腎移植が秘密裡に行なわれたような虚偽の記載をしている。

万波医師のネフローゼ腎の修復腎移植例は2002年8月24日に高知市で開かれた第20回中国四国臨床臓器移植研究会で「ドミノ腎移植の経験」と題して発表されており(甲B14)、公開されていた。

第3点は、本件書簡が日本移植学会という日本の移植医療を統括する組織の代表者として、ASTS年次総会の主催者としてのメイタス氏に「(万波)報告は、ASTSの年次総会の論文としては適切でない、と判定されます」との意見を表明して、その発表の中止を「日本移植学会理事長としての要望」としている点である。
 
これは、単に個人的意見を述べるにとどまらず、その地位を利用し、組織的圧力を加えて、修復腎移植の成果の報告を妨害しようとする違法行為である。

本件書簡による万波医師らの修復腎移植の発表妨害のため、2007年5月に予定されたASTS年次総会での同発表は中止され(甲A19)、よって
国際的に修復腎移植の医学的妥当性を明らかにする機会が奪われ、世間や患者らにこれらの情報が伝わることが妨害されたことは、原告ら慢性腎不全患者が修復腎移植を受ける権利を侵害されたものといえる。



5、 被告寺岡の違法行為について

訴状第5の5(1)ア、イに指摘する違法行為は、被告寺岡が2008年3月19日、超党派の会において、発言ないし発表した内容(甲B10,B15)の抜粋である。
また、5(2)に指摘する違法行為は、2008年5月19日、日本移植学会が行った記者会見での発言である(甲B16)。

これらの違法行為該当事実のうち、「移植に使える腎臓は本人に残す(戻す)べき」(「違法行為1」)及び「移植に用いる腎臓に癌は禁忌」(「違法行為2」)についての各発言の違法性は、訴状P39~43および既に被告大島、同高原について述べたとおりである。

 

6、 被告相川の違法行為について

訴状第5の6項(1)(2)記載の被告相川の2008年3月19日超党派の会における発言ないし発表は甲B10,B17のとおりである。

ここで被告相川は、小径腎癌に対する治療について、部分切除は内視鏡下においてさえ行われており、部分切除を一般的手術法とすべきであると述べている。

しかし、この主張は、つぎの点で虚偽というべきである。
    
(1)実際に日本さらに欧米においても、小径腎癌の治療法として、腎全部摘出が7~8割と圧倒的に多い(訴状P40、甲C1,C2,C9、C10―なお、ここで腎癌総数のうち、小径腎癌の割合が問題になるが、甲C2では46%であり、ベテラン泌尿器科医の経験からも約半数と見られている)。

(2)部分切除が可能であっても、患者の病状、年齢、希望や部分切除の手術リスクを考慮すれば、全部摘出が容認される(前記2(1))。

(3)日本、世界の教科書的医学書において、小さな腎癌の標準的手術法として部分切除とともに全部摘出も認められている(甲C11,C12)。

(4)内視鏡下での腎癌部分切除は、安全性が確立されておらず、標準医療とはされていない(甲C12)。むしろ、内視鏡手術の技術的難度の高いことからすれば、内視鏡手術の普及に伴い、複雑な手技を要する部分切除よりも簡単でミスの少ない腎全部摘出が標準治療となると予想される(甲C10)。


以 上





(甲B16)

別紙3 寺岡発言
記者会見発言抜粋一覧表

1 病気を持った患者さんが、その病気に対する治療を受け、治療に関する手術を受けないで、そして移植を優先した。つまり、むしろ移植のドナーとしてだけ腎臓を摘出すると。これが一番大きな問題です。…癌の患者さんに移植をする腎臓を摘出手術を行いますと、その患者さん自身の癌細胞をまき散らして癌が再発するリスクを非常に高めるわけであります。事実、尿管癌で手術をされた患者さんは、非常に生存率が悪い。多くの方が死亡されています。ですから、私としてはまず一番大事なことは、腎臓あるいは尿路系に疾患を持たれた患者さんが、その治療のために受診されたにも関わらず、その治療のための手術ではなくて、移植のための摘出術を受けざるを得なかった。受けざるを得なかったというのか、その手術をされている。したがって、私たちはこれはこの疾患に対する適切な治療法とは、どうしても見なせません。そこに一番の問題があります(違法行為2に該当)。

2 それから、これはタカハラ先生が先ほどお話になりました、近い将来皆さんにお渡しできると思います厚生労働省への研究報告書になりますが、それには世界各国の現時点における悪性腫瘍が現存する場合、あるいは過去に悪性腫瘍があった場合、そういう既往がある場合にどういう取り扱いをするかということが、詳しく引用されております。ぜひお読みいただきたいと思いますが、現在のもっとも標準的、一般的な考え方は、皮膚癌、脳腫瘍以外の場合の癌がある場合は、完治をして5年以上経過した段階で問題ないと思われる段階に、はじめてドナーとしてなりえる。それから、脳腫瘍も何度も手術をしたような場合は別なのですが、それからメラノーマ(悪性黒色腫)を除く低悪性度の皮膚癌、こういったものはまたそれとは別の扱いになります。もう一つだけ申し上げますと、これはそういうふうに-これはアメリカの腎移植の統計ですが-そのように5年以上完治したものをドナーとして提供した場合、それでも残念ながら4.3%の方にドナー由来の悪性腫瘍が発生するという報告がございます。これは新しい最近の報告です。これはちょっと古い報告になりますが、癌が現存する場合、今ある場合、その方から移植した場合にはドナー以外の悪性腫瘍、癌の発症率は43%と言われています。これが一般的な考え方です。ですから、先ほどのニコル博士、それからイタリアの例、これは極めて特殊な例と考えております(違法行為2に該当)。

3 腎癌で摘出した腎臓は、捨てるわけではありません。これは連続切片を作って、それを病理学的に検討するわけです。そして腎癌というのは単発であっても、そのまわりにいくつかの小さな癌がある場合が、かなり多いわけです。そういったものを病理学的に検査をした上で、そのあとにその方が化学療法が必要であるとか、例えばインターフェロンを打つ必要があるとか、そういったことを総合的に。癌の治療というのは集合的治療と言いまして、手術だけではありません。そのあとの治療も必要なわけです。ですから、腎臓で小さな癌、例えば4センチ以下の癌が問題となってきますが、それを本当に摘出、切除するか、あるいは全摘するかというのは大きな議論になりますでしょうが、将来的には部分切除になる、これは文句が無い。しかし、現在では全摘が多いということも事実であります。しかし、それはそこで全摘して腎臓を摘出したからといって、それは捨てる腎臓ではありません。これは、それを十分に病理学的に検索して、それをその患者さんの治療に反映させることが一番のねらいです。ところが、今回の事例では非常に残念ながら、そういった病気の治療を目的に来た患者さんでの、その後の治療、経過観察が全然なされていないものもありまして、私はもともとその病気の治療に関わった方に対して、手術でも適切ではないし、その術後の経過観察、術後のケアに関しましても適切ではないと言わざるを得ないと考えております(違法行為1に該当)。
# by shufukujin-report | 2009-07-04 17:36 | 第2回口頭弁論詳細(2)

第2回口頭弁論・詳細(1)


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修復腎移植訴訟 第2回口頭弁論


2009.6.30(火)

第2回 修復腎移植患者訴訟

患者原告ら弁護団

本日の法廷で明らかにすることは、つぎのとおりです。



(提出書面(主張内容))

第1、訴訟承継の書面
     5月4日亡くなられた原告長谷川博さんの本件訴訟を、唯一の相続人であるお母様が引継ぐ内容

第2、被告らに釈明を求める書面
     被告らは訴の却下を求めているが、学説判例上、正当な理由と思われないので、それがどのような 根拠を有するのか明らかにせよ。

第3、被告らに自ら答弁書(別紙参照)で引用しているつぎの書面の提出を求める書面(上申書)
 1、外国文献の原文と翻訳文
 2、瀬戸内グループの修復腎移植症例につき事実誤認を主張している根拠となる資料

第4、準備書面(2)
  1、被告らは、瀬戸内グループの修復腎移植がICの欠如等手続的問題を執拗に主張しているが、そのことと修復腎移植そのものの妥当性とは関係がないので、そのことは争点にしない。
 
 2、本件訴訟の争点について回答せよ
  (争点は)
 (1)修復腎移植の医学的妥当性
    ア)レシピエントについて
     ① 疾患ごとの医学的適応の有無
     ② 修復腎移植の成績とその評価方法
     ③ 癌の再発・転移可能性
    イ)ドナーについて
     ① 全摘出の適応性
     ② 術式の妥当性
  (2)被告らが悪意か過失があったか。
  (3)因果関係及び損害
しかし、答弁書には上記争点について答弁していない点があるので、つぎの点を明らかにせよ。

(回答を求める事項)  
   ア①につき    癌以外の修復腎移植についての是非をどう考えるか。
             また、手続面が整えば、修復腎移植がみとめられるのか。
   ア①につき    瀬戸内グループの市立宇和島病院25例の成績が悪いとするデータと計算方法を明ら かにせよ。
   イ①につき    患者が全摘を希望する場合、時間的、場所的、経済的、設備的条件により、医学的に 腎臓を残すことができても全摘する場合があることを認めないのか。
            また、小径腎癌の場合でも、これまで全摘される場合が多かった、という事実について反論せよ。

第5 準備書面(3)
     被告答弁書では「違法行為」の外形的事実を認めながら、その違法性を認めないとするので、原告は証拠を提出して違法性を明らかにした。

   (違法性を明らかにした点)
被告ごとに述べているが、争点ごとにまとめる。
  1、「他人に移植できるなら、本人に残すべきだ」
  (1)患者の意思で摘出を希望することがある。
   (2)小径腎癌のケースでも、ほとんど全摘されている。
   (3)小径腎癌のケースでも、医学教科書で全摘が認められている。

  2、「癌の腎臓の移植は禁忌だ」
   (1)小径腎癌のケースは危険でないこと。
      ニコル(豪)、ブエル(米)、タイオーリ(米、伊)メリーランド大(米)
   (2)危険であるとする古い学説(ペン学説)は崩壊していること。

  3、「修復腎移植の成績は悪い」
     瀬戸内グループの全42症例でみれば、悪くない。

  4、瀬戸内グループの修復腎移植の米学会での発表は適当でない、との書簡について
   (1)本来、臓器売買と医療技術としての修復腎移植は関係がないし、売買事件判決でも関与は認められなかった。意図的な発表妨害である。
   (2)修復腎移植は秘密に行われたのではなく、中四国の研究会で、2002年にすでにネフローゼ腎移植症例として発表・公開されていた。
   (3)日本移植学会としての組織的圧力を加えた。


(第一回裁判での被告答弁書の内容の骨子)

 ① 訴の却下(門前払い)判決を求める
・ 高度に専門的学問論争は訴訟になじまない。
・ 憲法は国が国民に保障しており、患者が医師(個人対個人)を訴える根拠となりえない。
・ 修復腎移植を禁止したのは厚労省であって、学会ではないから、訴える相手が違う。

② 本件訴訟の背景 
・被告らは、 瀬戸内グループの修復腎移植に対して「医師としての良心による意思表明」としての発言をした。
・ 主として瀬戸内グループの修復腎移植例をあげて、その手続面、内容面を批判(従来の主張のくり返し)している。

 ③ 本件違法行為事実について
    行為の外形はいずれも認めるが、その内容が虚偽である、とは認めない。
# by shufukujin-report | 2009-07-03 00:58 | 第2回口頭弁論詳細(1)

第1回口頭弁論・詳細(4) 学会の訴訟費用負担問題‏



日本移植学会の訴訟費用負担問題‏



修復腎移植訴訟の被告である日本移植学会幹部5人が、訴訟費用を学会で負担するよう要請していることに対して、「移植への理解を求める会」と原告団から、日本移植学会評議員あてに、4月24日付けで下記の要望書を送りました。

この要望書の送付は、弁護団全員一致による判断です。






平成21年4月24日         
日本移植学会評議員 各位


修復腎移植の損害賠償訴訟について
(お 願 い)


移植への理解を求める会代表
向田 陽二
修復腎移植訴訟原告団長団長
野村 正良


拝啓 日ごろ、移植医療の発展に多大のご尽力をされていることに、心から敬意と感謝の念を表します。
 
さて、修復腎移植の推進(再開)を願って活動を進めている私たちの会は、会員有志による患者原告団を組織し、昨年12月22日、貴学会に所属する寺岡慧、高原史郎、相川厚,田中紘一、大島伸一各氏を相手取り、松山地裁に提訴いたしました。

移植医療を率先して進めるべきこれら5人の方々は、極めて深刻なドナー不足の中で、腎不全に苦しむ多くの患者を救う可能性のある修復腎移植を、新聞、テレビ、雑誌のインタビュー、あるいは超党派国会議員の勉強会などの席で、十分な調査もしないまま虚偽の発言や報告によって全面的に否定し、厚生労働省による原則禁止の方針を導きました。 

このため、ドナー不足解消の切り札として海外でも絶賛されている修復腎移植が、国内では実施できなくなり、多くの患者さんが見殺しにされる事態となっています。
また、修復腎移植に関する海外での論文発表を、貴学会の名を借りて妨害するなど、私たちの希望を踏みにじるような行為もしています。

そもそも、修復腎移植について貴学会が統一見解を発表した過程にも、納得のいかないものを感じています。私たちは、貴学会のごく一部の方々が、独断と偏見によって修復腎移植の妥当性(安全性と有効性)を否定する見解を発表し、その結果、患者の治療を受ける権利と生存権を侵害するようになったと考えています。

この訴訟は、貴学会に対する訴訟ではなく、あくまでも5人の方々を対象にしたものです。これらの方々の個々の言動が、修復腎移植に対する事実を歪曲し、患者の憲法13条、25条に基づく「治療を受ける権利」を侵害している、として個人に損害賠償を求めています。

ところが、5人の方々は次の通り、事実を歪曲して皆さまに伝え、この訴訟が「学会の行為についての訴訟」だと説明しています。

(1)被告となっている5名の方々は、その行為が「学会の活動として行った行為」であり、「学会には法人格がないので学会に対する訴訟は、理事長など個人を対象にしたものとなる、と述べています。これはまったく誤りです。学会に「法人格」はなくても、これ自体訴える、または訴えられることができます。しかるに、今回の訴訟は、学会に対してではなく、あくまで個々の言動を行った幹部個人に対するものです。

(2)被告となっている5人の方々は、裁判で私たちが、「学会声明により生存権が脅かされた」と主張していると述べています。これもまったくの誤りです。私たちは「学会声明」が違法であるとの主張はしていません。これとは別の事実を歪曲した各個人の言動に違法性があるとの主張を行っています。また、私たちが侵害されたと主張しているのは、「生存権」だけではなく、憲法13条に基づく「患者が治療を選択する権利」を主に主張しています。

(3)さらに「理事または元理事として5人個人を被告としている」と述べていますが、これもまったくの誤りです。私たちは5人の方々が「理事だから」「元理事だから」被告にしたのではありません。あくまでも事実を歪めた言動をした5人の方々個人です。

以上、事実を曲げて、個人の言動についての責任を、学会全体の責任にすり替えようとしています。個人の利害の問題を、学会所属の医師全員にまで及ぼそうとするのは、アンフェアで、傲慢に思えます。
このようなことが許されては、学会の私物化にもなりかねません。移植医療を担うべき学会のために、憂慮に堪えません。

被告となっている5人の方々は、訴訟費用を学会で負担するとの理事会決定と各評議員の方々に対する事後承諾のアンケートを実施していると、聞き及んでいます。

評議員の皆さまには、こうした経緯をご理解いただいたうえ、一人でも多くの患者を救うために、慎重なご判断をいただきますよう、切にお願い申し上げます。 

敬具
# by shufukujin-report | 2009-05-19 23:00 | 第1回口頭弁論詳細(4)